堆肥入り肥料の概要とその影響について
1.概要
2022年、肥料価格の高騰を受けて、農林水産省は「肥料価格高騰対策事業」を打ち出しました。支援の条件は、農家自身が化学肥料の低減に取り組むこと。農水省が示す化学肥料低減計画書にはさまざまな取組メニューが並んでおり、中には「堆肥(たいひ)の利用」という項目もあります。
そんな中、堆肥と化学肥料を混ぜた混合堆肥複合肥料の利用が広がっています。粒状に加工されていて散布しやすく、堆肥より扱いやすいということで支持されてきています。
2.堆肥入り肥料とは
堆肥入り肥料とは、堆肥(有機物を分解し熟成させたもの)を含んだ肥料のことです。堆肥は自然界において有機物を分解して生成されるものであり、土壌改良や植物の栄養補給に利用されています。
堆肥入り肥料は、この堆肥を主成分として含み、植物の成長を促進するために土壌に施用される肥料の一種です。
堆肥入り肥料は、有機物が含まれているため、土壌の有機物含有量を増加させることができます。有機物は土壌の保水性を向上させ、栄養素を保持し、土壌の構造を改善するなどの利点があります。また、堆肥入り肥料は、微生物の活動を促進することにより、土壌の生物学的活性を高め、土壌生態系を改善することができます。
堆肥入り肥料は、野菜や果樹、花などの栽培に幅広く使用されています。適切に使用されると、植物の生育を促進し、収量や品質を向上させることができます。また、堆肥入り肥料は化学肥料と比べて、環境に優しく、持続可能な農業に貢献することができます。
3.影響
この数年、新型コロナウイルスやウクライナ侵攻の影響で肥料価格が高騰したことにより、これまでのように施肥できなくなるのではという懸念がありました。国や地方自治体も肥料価格高騰への対策として、支援金・補助金制度を設ける等、対策は行っていますが、それで懸念がなくなるには至っていません。
そんな中、この堆肥入り肥料は、従来の肥料とほぼ同様の効果を出しながらも、価格を最大2/3程度にまで抑えることに成功しています。これからの時代、堆肥入り肥料は農家さんにとって大きな支えになってくれることでしょう。
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