農機具の長期保管方法について解説
農機具を誤った方法で保管すると、後にさまざまなトラブルを起こすだけでなく、性能低下や本体の劣化を招きかねません。
最悪の場合、故障につながることもあります。
そこで今回は、農機具の正しい長期保管方法について紹介します。
間違った長期保管によって起こるトラブル4選
農機具は誤った長期保管によって、さまざまトラブルを引き起こします。ここでは、代表的なトラブルを4つ紹介します。
1. 腐食や錆による劣化
農機具に土や泥がついたまま長期保管すると、腐食や錆によって劣化します。土や泥には、塩分が含まれているため、金属部が錆びてしまうのです。
一度錆びると劣化が進んで腐食して穴があくこともあります。農機具全体の劣化や故障にもつながるため、注意しましょう。
また、水分も錆を発生させる原因です。洗浄後の拭き残しによって錆がついたり、腐食したりすることは少なくありません。
2. エンジントラブル
長期保管明けに最も多いトラブルがエンジントラブルです。なかでも、キャブレター詰まりが原因になることが少なくありません。
ガソリンは時間が経つごとに劣化し、不純物が溜まっていきます。農機具の燃料を抜かずにそのままにしておくと、どんどん不純物が溜まるのです。
長期保管明けにエンジンをかけると、不純物がキャブレター内部に詰まってしまいます。
ガソリンをエンジンに供給できなくなるため、エンジンが正常にかからないといったトラブルを引き起こすのです。
3. バッテリーの放電
バッテリーを繋いだまま長期保管するとバッテリーの放電によって電力が失われます。いざ農機具を使おうとエンジンをかけても、電力が足りずにバッテリーが上がる原因となります。
とくに、田植え機やコンバインは使用する時期が決まっているのでバッテリーを上げてしまうことが多いです。
また、バッテリーは低温に弱いため、寒冷地でバッテリーを放電状態にすると、性能を大きく低下させる原因となります。
4. ネズミによる被害
農機具を長期保管する際は、ネズミ被害にも注意しなければいけません。ネズミが保管場所に発生すると、部品の破損や故障などのトラブルを引き起こします。農機具のコードを噛み切る、中で巣を作るといった被害に遭うのです。
ネズミはお米の匂いが好物なので、とくにコンバインやハーベスターなどの稲作に使う農機具は注意しましょう。ネズミ被害に遭うと、高額な修理費が必要となることも多いです。
農機具の正しい長期保管方法

ここまで間違った保管方法によるトラブルについて紹介しました。
次は、農機具を長持ちさせるための正しい保管方法を紹介します。
1. 保管前に農機具を洗浄する
農機具の保管前には、洗浄をして土や泥を落としましょう。ホースやコンプレッサーでしっかりと汚れを落とすことで、錆の発生を抑えることができます。お米の匂いなども洗い流せるので、ネズミ対策にも有効です。
ただし、洗浄する際はエンジン周りやワイヤー部分に水がかからないよう注意しましょう。
電気を使用する部分に水をかけてしまうと、農機具の故障やトラブルの原因になります。
農機具によってエンジン周りの部品が違うので、洗浄前には一度、農機具の構造を確認しておきましょう。
2. 保管場所は屋根付きシャッターがおすすめ
農機具の保管場所は屋根付きシャッターがおすすめです。太陽の日射や雨風に当たらないように保管することで錆から農機具を守ることができます。
しかし、高額な屋根付きシャッターや倉庫を用意するのは簡単ではありません。
どうしても外に置かなければならない場合は、農機具専門店で錆止めを依頼するとよいでしょう。
ブルーシートなどの養生だけで保管すると、余計に錆が深刻になりますので注意が必要です。
3. ガソリン燃料を抜いておく
ガソリン燃料を残しておくとエンジントラブルを引き起こしやすいので、保管前に抜いておきましょう。
農機具によってキャブレターの構造が異なるため、作業前に燃料の抜き方を確認しておく必要があります。
取扱説明書やキャブレター外側にあるエアクリーナーの注意文を必ず読んでおきましょう。
4. バッテリーは端子を外しておく
バッテリーのマイナス端子を外しておくと、自然放電によるバッテリーのトラブルを防ぐことができます。
しかし、多少自然放電してしまうので完全に防ぐことはできません。
マイナス端子を外しておけば、バッテリーが上がるなどのトラブルになることはほぼありません。
心配であれば、バッテリー充電器を用意しておくと急なトラブルにも対応できるでしょう。
正しい保管方法で農機具のトラブルを防ぎましょう
腐食や錆による劣化、エンジントラブル、バッテリーの放電、ネズミによる被害によって、農機具の性能は著しく落ちます。
農機具は正しい方法で長期保管して、保管明けのトラブルを防ぎましょう。
農機具の劣化・故障を回避できれば、部品交換や修理にかかる出費を抑えることもできます。
農機具は、保管する前に洗浄する、屋根付きの場所で保管する、ガソリンを抜く、バッテリーの端子を外すといったことを徹底して長期保管しましょう。
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